マイナー天体「M40」

 久しぶりのマイナー天体のご紹介です。数あるメシエ天体の中で、まず誰も撮影をしようとしない天体の代表が「M40」でしょう。

 この天体は、角度1分(角度1度の60分の1の角度)弱ほど離れた2つの10等星です。

 18世紀半ばに活躍したフランスの天文学者シャルル・メシエが、彗星とまぎらわしい天体を集めて作ったのが「メシエ・カタログ」(M××という天体で、有名なのはウルトラマンの故郷であるM78星雲でしょうか?)です。

 この天体は1660年、ヨハネス・ヘベリウスによって初めて記録されたそうですが、メシエの記録によると「彼(ヘベリウス)が使った6フィート(1フィートは約30.5㎝。この長さは口径ではなく鏡筒の長さ、つまり焦点距離を表すと思われる)単レンズ望遠鏡では、分離が難しいことから、ヘベリウスが星雲として見誤ったものと推測される」とあるそうです。ちなみにメシエは、9㎝屈折(アクロマート)望遠鏡や15cm反射望遠鏡、19㎝反射望遠鏡を使っていました。メシエは2つの星であることを認識していたようですが、ヘベリウスに敬意を表し、M40と記録したのかもしれませんね。

  ちなみに画像の右端にある銀河は、NGC 4290です。(Ori)

【撮影データ】
 撮影日時:2022年3月3日2時9分~ 60秒露出×4枚
 撮影機材:鳥取市さじアストロパーク 103㎝反射望遠鏡 
      短焦点化レンズ(F4.6)
      キヤノン EOS-6D(HKIR) ISO3200に設定

鳥取天文協会 Tottori Society of Astronomy

鳥取天文協会は鳥取近隣の天文愛好家で作るグループです 以下に引っ越しました https://toritenkyo.blogspot.com/

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