Bluetoothインターバルタイマーリモコン
ベルガモット(BergamotJellyBeans)
キヤノンのカメラ専用ですが、インターバルタイマーリモコンが完成しました。最近のキヤノンカメラはBluetoothのリモコンが使えるようになっています。
ワイヤレスリモートコントローラー BR-E1
しかし、これだけではインターバル撮影はできません。
開発背景
最近では、格安のインターバルタイマーリモコンが市販されて、私もそれを使っています。天体撮影用に作られたものではないので、色々と不満が出てきました。
そもそもリモコンケーブルを挿すのが面倒。
撮影条件を毎回設定するのも面倒。
その設定も時間や枚数をアップ・ダウンでやるのはとっても大変。
暗闇では撮影状況(画面)が見えない。
などなど…
購入したもの
・M5Stack Core2 (¥5,525税込)
https://www.switch-science.com/catalog/6530/
これはタッチパネル付きの小型コンピュータです。
プログラムを作ってあげると色々なものに変身します。
・MicroSDカード(使わなくなったヤツ)
撮影条件の保存や、決まり切った設定項目を記述したファイルを入れておきます。
容量が小さくて、もう使わなくなったMicroSDで十分です。
カメラと接続
カメラの電源を入れBluetoothリモコンを使用する設定にしておきます。
撮影モードはB(バルブ)にしておきます。
リモコンのScanボタンをタッチするとカメラを探して接続します。
露出時間の設定
1秒単位でアップダウンするやり方は止めました。
480秒,240秒,120秒,60秒,30秒の5個のボタンがあります。
露出時間は各ボタンの露出時間の合計です。
300秒なら240秒と60秒。
210秒なら120秒と60秒と30秒。
180秒なら120秒と60秒。
90秒なら60秒と30秒。
すべてのボタンを使うと、最大930秒まで設定できます。
撮影枚数の設定
これも1枚単位でアップダウンするやり方は止めました。
同様に64,32,16,8,4,2,1の7個のボタンがあります。
各ボタンの数の合計が露撮影枚数になります。
コンピュータに詳しい人なら2進数と言えば分かりますよね。
少しややこしいですが以下のように設定できます。
10枚なら2と8。
15枚なら8と4と2と1。
40枚なら32と8。
100枚なら64と32と4。
すべてのボタンを使うと、最大127枚まで設定できます。
マニュアル撮影(レリーズボタン)
右下の赤丸ボタンをタッチすると撮影を始めます。
もう一度押すと撮影が終わります。
撮影中は1秒毎にピッピッと音がなります。
暗闇でも耳だけで露出時間が分かります。
インターバル撮影
露出時間と撮影枚数をセットしたら、Exposureボタンをタッチして撮影を開始します。
残露出時間と残撮影枚数は上段に表示されます。
撮影を始めると同時に、露出時間と撮影枚数をSDカードに書き込みます。
次回、電源を入れたら直前の設定を復元します。
バッテリ駆動時間
370mAの小さなリチウムイオンポリマー電池を内蔵しています。
2時間くらいは持ちそうです。
念のためモバイルバッテリは必須です。
あまり変更しない設定
Exposure後の待ち時間と、繰り返し中の待ち時間は、タッチ画面で設定できません。
頻繁に変更しないものは、MicroSDカードに情報を書き込んでおくことにしました。
カメラのBluetooth MACアドレス
このリモコンとカメラをBluetoothで接続するには、MACアドレスを知る必要があります。
MACアドレスは、それぞれのカメラに固有のアドレスが割り振られていて、重複することはありません。
一般的にBluetooth機器を接続するときは、機器をスキャンしてMACアドレスのリストを表示(または機器名)してユーザが特定するやり方を取ります。
今回はその方法を採らず、MicroSDカードにカメラのMACアドレスを書き込んでおくことにしました。(プログラムが面倒だからです….)
BluetoothのMACアドレスはカメラ側で表示可能です。
このリモコンが使えるカメラ
EOS R5/EOS R6/EOS R/EOS Ra/EOS RP/EOS 6D Mark II/EOS 90D/EOS 9000D/EOS M6 Mark II/EOS M200/EOS Kiss X10i/EOS Kiss X9i/EOS Kiss X10/EOS Kiss X9/EOS Kiss M2/EOS Kiss M
2021.3.10現在 キャノンHPより掲載。
YouTubeに動画をアップ
実際に操作してみた動画をYouTubeにアップしています。2分35秒あります。
謝辞
このリモコンを開発するに当たり、数多くのリンクを参考にさせて頂きました。
Reverse engineering the Canon t7i's bluetooth
https://iandouglasscott.com/2017/09/04/reverse-engineering-the-canon-t7i-s-bluetooth-work-in-progress/
Canon DSLR Nluetooth Remote protocol
https://iandouglasscott.com/2018/07/04/canon-dslr-bluetooth-remote-protocol/
simple Python script to emulate the BR-E1 remote
https://github.com/ids1024/cannon-bluetooth-remote
Arduino ESP32 を使ってcanon eos kiss x9i(800d/t7i)とBluetoothで接続して撮影した話
https://popupmlv.hatenablog.com/entry/2019/02/15/123000
M5Stack ATOM EchoにWaveファイルを埋め込んで再生する
https://lang-ship.com/blog/work/m5stack-atom-echo-wave/
音素材
https://soundeffect-lab.info/sound/button/
追加情報(3月21日)
Bluetoothだけでなくケーブル接続にも対応しました。これでEOS以外も使えるようになります(別途インターフェース部品が必要ですが)。
下の画像はEOS6Dにケーブル接続している写真です。(古都 浩朗)
追加情報(4月12日)
露出時間の設定ですが「もっと短い設定が欲しい」と要望がありました。30秒以下なら「カメラで設定できるじゃん」と思いましたが、要望に応えることにしました。
あれ以上ボタンを増やすと、タッチが難しくなるので、5個の時間を自由に設定できるようにします。設定はSDカードに書き込んでおきます。
これはデフォルトの露出時間の設定例
exposureSecondList=480,240,120,60,30
これはもっと短い露出時間が欲しい人の設定例
exposureSecondList=60,45,30,15,5
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