昼間太陽が出ている時の赤道儀(目盛環付)の設置方法
私が昼間に行っている「太陽を使った赤道儀の設置方法」をまとめてみました。(前田 式部)
①初めに調べておくこと
・その日の太陽の赤緯と南中時間(赤緯は設置する時間に近い方が正確ではあるが、影響は少ないので南中時間のものでよい)
・観測場所の緯度(いつもその付近で観測している赤道儀であれば緯度を変える必要はない)、鳥取付近・・・35°30′程度
②時計を使い大まかな北の方向を知る(方位磁石があればそれを使うのがよい)
・時計を水平に持ち短針を太陽の方向に向ける
・短針と12時のなす角度の2分の1の方向が南、地平の地形と関連付ける
・両手を両側直線方向に伸ばし、片側を南にして反対の北の方向を知る
③三脚の方向調整・固定突起を考えて北に向け設置
・架台を水平にする
④赤道儀の設置
・赤道儀を三脚に載せて下からの固定ネジを軽く締める
・鏡筒を載せて赤経軸(極軸)、赤緯軸のバランスをとる(この時ファインダー及び鏡筒にはキャップをしておく)
・鏡筒を真上に向け(この時水準器があれば尚良い、南中時間と関連する)、赤経、赤緯のクランプを締める、(※周りに建物などがあるときは望遠鏡から少し下がり建物の垂直な部分と見比べながら真上に向けると少しは正確となる)
・赤経軸(極軸)の印に目盛環の12時(0時)を合わせてから、南中時間分だけずらして目盛環(※赤経軸の目盛環は赤道儀によって時計回り、或いは反時計回りに数字が打ってあり回転させる方向に気を付けること)を固定
・赤緯軸は付属の印を使ってもよいが、印が真下にくるので適当な見やすい位置にセロテープ等で印をしてもよい
・赤緯軸の印(テープ等の印)に目盛環をその場所の緯度(35°30′)に合わせ固定する
・赤緯軸のクランプを緩め望遠鏡を動かして目盛環の目盛(目盛環は動かさない)に太陽の緯度を合わせ、クランプを固定する。この時微動軸の回転は使ってはいけない。
・次に赤経軸(極軸)のクランプを緩め、その時の時間(南中時間との差)を回転させてクランプを固定する(これが極軸が正確にあっている時の太陽の方向)、恒星時駆動を開始
・水平方向の微動調整ネジは両方向ともいっぱいに開ける
・望遠鏡のキャップを外し(ファインダーのキャップは外さない)、接眼レンズはつけないで、架台下の固定ネジを少し緩め、赤道儀を水平(左右)回転(三脚は動かさない)させ太陽を望遠鏡に入れる、この時危ないので接眼部のあたりに手を置いたり、覗いたり、太陽の方向を見たりしてはいけない、鏡筒の影を見ながら白い紙などに投影して入ったことを確認する(この時回転方向いっぱいとなり入らない時は三脚事回すこととなる、その時は水平出しが再度必要)
・これで極軸合わせは終わりなので、左右回転と架台下の締め付けネジを固定する
※ 赤経、赤緯など望遠鏡付属の目盛環を使うので細かい部分が目検討となりどうしても設置精度は落ちるが、慣れてくると実用上問題ないレベルで設置できる
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